2014年12月15日月曜日

姿勢を見せることで…

現在担任しているクラスで漢字の定着を図るための工夫をしている。
反復練習の必要な漢字学習は子供たちにとっても楽しい時間ではない。
できるだけ宿題として出すのではなく,授業時間内での定着を図りたい。
何とか短時間で効果を上げたいというのが担任・子供たちの願いだと思う。

今年のクラスは,国語の初めの5分を帯として時間を確保し漢字の練習をしている。
その練習は,読み・書き順・画数・熟語での練習・文での練習など
子供たちがより定着しやすい方法を見極めながら取り組んでいる。

その中で,先日子供たちの漢字学習の方法としてエビングハウスの忘却曲線の実験。
20分で42%を忘れてしまうというのなら,その都度覚えなおし引き上げることで
忘れずにより定着するだろうと考えたのである。
そこで,1時間(45分)を
5分の漢字・音読・5分の漢字・文章の読み取り・5分の漢字・話し合い・漢字テスト
と細分化して取り組んでみた。
すると…テストの結果は以前と変わらず,むしろ低い点数だった。
これは1週間継続したが同じ結果だった。

この子供たちにこの方法は合わなかったのか…と思いながら
学期ごとに取り組んでいる50問の市販テストをやってみると高得点。
もしやと思って1学期の50問テストを再度やってみるとこちらも高得点。

子供たちに聞いてみるとこれまでの学年以上に練習してはいないが書けるとのこと。

どの取り組みが最も効果を上げたのかはわからないが
どれもが必要な取り組みだったと思っている。
そして,何より担任が漢字について考えているという姿勢を見せることで
子供たちは漢字という学習に対する姿勢を学んでくれたのではと考えている。

そうしたことを考えると,自分も研修を続けなければと改めて考えさせられる
今日このごろです。                                        (木下 尊徳)

奥尻の冬と教師の学び

奥尻の一日は、フェリーの運航状況をお知らせする防災無線で始まります。
「今日のフェリーは海上悪天候のため全便欠航となります。」
荒れる冬の日本海では、こうした状況が2~3日続くことも珍しくありません。
欠航が続くと、スーパーでは生鮮品の棚がスカスカになり郵便や新聞の配送も途絶えます。
道路に波があがって通行止めになることも多く、冬の島での暮らしは天候に大きく支配されます。

こうした不便さはありますが、奥尻での冬の暮らしは魅力にあふれています。
夜の海を煌々と照らすイカ漁の漁り火。
奥尻は漁場が近いのか、所によっては夜でもヘッドライトを付けずに車を運転できるほど島を明るく照らします。吹雪の日は風に舞う雪が漁り火に照らされ、オーロラのような幻想的な光景を見せてくれます。
観光シーズンから外れるため、あまり知られてはいませんが、ホッケ・イカ・タコ・寒ノリなど、冬ならではの食材にも美味しい物がたくさんあります。
厳しい冬にじっと堪えているように見える暮らしの中にも、島ならではの豊かさがあります。

先日、島の先生方による学習会が生まれました。
会の名称は、“Collaboration”(協同)、“Creative”(創造)、“Culture”(文化)の頭文字を取って、「Studio:C」です。
キックオフの学習会には7名の先生方が参加し、楽しい語らいの中にも真剣な学びのあるひとときとなりました。
厳しい環境の中でも、志があれば一級の学びができる―。島の先生方が集まり、互いの実践から学び合う場として大切に育てていきたいと思います。

(山寺 潤)