2015年7月2日木曜日

スピーチ原稿が生む思わぬ効果に驚く

 私は趣味が合唱・ピアノ演奏など音楽系のため、職場でも仲間内でもすっかり音楽教師扱いである。が、中学・高校教諭の免許は国語科である。音楽科の免許はもっていない。
 でも、国語教師として胸を張れるほどの勉強は……できていないかもしれない。
 未だに、拙い授業をするたびに気付かされることがたくさんある。

 今、職場で採用されている教科書では、3年生で初めて、話すこと・聞くことの単元としてスピーチメモ(教科書では『発表メモ』)を使って発表する活動が組まれている。これまではどの学年でも、スピーチメモのみを作らせてスピーチさせていた。メモであるから、話の流れに沿ってキーワードのみを書き出した物である。

 しかし昨年度に初めて、最初に「スピーチ原稿」をノートに書いてみることにした。話を一字一句、文字に起こすものである。スピーチ本番に、その通りに話せなくてもよいのだが、内容や表現を十分吟味してから本番を迎えさせたいと考えたからだ。
 始め・中・終わりの三段階を、それぞれ1時間ずつかけて書いた。スピーチ原稿が完成した後に、原稿を見ながらスピーチメモを作った。
 メモのみの場合より話しやすくなるのではないか、と意図していた。確かに子どもたちは淀みなく、余裕をもって話せるようになった。だが、思わぬ効果が他にあった。

 子どもたちがみんな、前を向いて、友達の方を見ながら話せるのである。もう、これから話すことが頭の中にイメージできているのだろう。むろん、原稿とちょっと違う展開もみられたが、伝えたいと思っていたことからぶれていないから、問題ない。視線を合わせて話せるぶん、聞き手への伝わり方が俄然よくなっている。

 来年には4年生となり、児童会の仕事を始める3年生の子どもたち。下級生の教室に行ったときに、今回の経験を生かしてくれたらいいなと願う。

 この授業の構想を共に考えて下さった研修部長さん、ありがとうございました。

(斎藤 佳太)

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