2015年2月27日金曜日

親と教師の狭間で

 私事ですが、2015年という年は実は私が結婚してちょうど20年目にあたる年てす。息子は大学入試、娘は高校入試という年とも重なり、私にとっては節目と言える年というわけです。
 1月から息子と娘の受験日が私立・国公立と毎週のように交互に訪れています。願書の記入や受験料の納入から始まり、飛行機や宿の手配や受験当日の交通手段、体調や天候の心配、一人暮らしを始める息子には住居探しや準備も含めて、妻ともどもここのところ何とも言えず落ち着かない毎日を過ごしています。
 もちろん、一番落ち着かないのは当人でしょうが、親の立場としては懐が寂しくなると同時に気遣いや気苦労も絶えないのが正直なところです。同時に、新しい世界に踏み出そうとしている彼らを羨ましくも感じます。
 ところで、毎日接している教室の子どもたちもやがて卒業して、我が子同様新しい世界に踏み出すことでしょう。そんな子どもたちの未来を、これまでは卒業と同時にどこか人ごとのように感じていました。
 しかし、いざ我が子が自分の道を切り開くために必死な姿を見ていると、自分が教師として送り出した子どもたちの未来も、これまでとはまたひと味違った身近なものとして感じるわけです。彼らも苦労しながら自分の足で一歩一歩歩んでいったんだろうな……と。未来を身近に感じるということは、当然、目の前の子どもたちに対し、教師として今この一瞬に何ができるか、どうしたら幸せにできるかを考えることにもつながります。
 教員生活23年を終えようとしている今、教師という職業の奥深さが少しずつわかってくる年になってきました。私は一人の教師であると同時に一人の親でもあります。この立場をもう少し突き詰めながら、教師という職業に反映させていこうかと考えています。
(山下 幸)

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