この夏、娘たちは「コードブルー~3rdシーズン~」を欠かさず見ています。
見ている方はわかると思いますが、手術場面がかなりリアルな感じです。血に弱い私にとっては、実はあまり集中して見ることができません。それでも、先日の第4話には、記憶に残る場面がありました。
フライトナースとして中堅の冴島と、新人だけど、テキパキと無難に仕事をこなす雪村のやり取りです。雪村はプライドも高く、向上心も強い。そして、何かと問題のあるフェロー(フライトドクター候補生)をどこか見下しています。何より、早く周りから認められようと気負っている…そんな人です。お祭りの会場で子どもの喉にバーベキューの串が喉に突き刺さったとのことで、雪村がドクターヘリに乗り、現場にいきます。…現場では母親がうろたえていて、ちょっとたいへんだったのですが、その子は救命病棟に運ばれ、適切な処置のもと、一命を取り留めました。その夜、冴島はICUにいるその子と保護者に、隅田川の花火を見せてあげます。ベッドの位置を変えて、見えやすいようにしてあげます。雪村に手伝うように言うと、雪村はめんどくさそうに従います。ここからの冴島と雪村との会話です。見ている方はわかると思いますが、手術場面がかなりリアルな感じです。血に弱い私にとっては、実はあまり集中して見ることができません。それでも、先日の第4話には、記憶に残る場面がありました。
雪村「あそこまでしてあげてたら、ナースの仕事ってきりがないと思うんですけ
ど…」
冴島「うん……。幸村さんは、フライトナースにとって大切なことってなんだと思
う?」
う?」
雪村「現場での判断力、経験、迅速に動ける体力…」
冴島「そうね。…で、実際どうだった?今日やってみて」
雪村「あのお母さん、パニック起こしちゃってて、たいへんでした」
冴島「誰もパニックにならない現場なんてないわ。大きな不幸を目の当たりにし
て、みんな不安になってるから…。そういうとき、誰かがその不安に気付い
てあげてほしい」
冴島「誰もパニックにならない現場なんてないわ。大きな不幸を目の当たりにし
て、みんな不安になってるから…。そういうとき、誰かがその不安に気付い
てあげてほしい」
雪村「それが私ってことですか?」
冴島「医者も、そのほかのスタッフもみんな張り詰めてる。そういうとき…あなた
の顔を見るとみんなが安心する。幸村さんには、そういうナースになっても
らいたいな。焦らずに、成長していってほしい」
冴島「医者も、そのほかのスタッフもみんな張り詰めてる。そういうとき…あなた
の顔を見るとみんなが安心する。幸村さんには、そういうナースになっても
らいたいな。焦らずに、成長していってほしい」
ふと、自分が今までにしてきたことが、頭に思い浮かびました。
ついつい、子どものダメなところばかりに目がいき、叱りとばしてはいないだろうか。目の前の仕事に追われてしまい、周りが見えていなくなっていないだろうか。「How to」ばかりに頼っていないだろうか。子どものためと言いつつ、実は自分のために動いていないだろうか。「うちの子、先生の話を聞いてないようなんですけど、大丈夫でしょうか?」「勉強しないんですが、効果的な方法はありませんか?」「言ってはいるんですけど、なかなか直らなくて…」パニックとまではいかなくとも、真剣に悩んでいる保護者の方々の不安と向き合えているだろうか。子どもの不安を取り除いてあげられているだろうか?そして何より、手間を惜しまず、心配りや気配りができているのだろうか。
ナースと教師、フィールドは違えど、大切なものは同じだなぁと感じます。子どもや保護者、周りにいる同僚や仲間たちにとって、安心してもらえる存在であるには、どうしたらいいだろう…。いくつになっても、その答えにはなかなかたどり着きません。焦ることや不安になることばかりです。ただ、常に振り返り、自分の歩んできたところを確かめながら、でも、前へ進んでいくことを繰り返していくしかないのでしょう。
(山口 淳一)
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