2017年6月22日木曜日

「知ってる」を「使える」に

昨年度、ある国語の学習会の折に、「知識語彙」と「活用語彙」という考え方を知りました。
日本語を日常生活に不自由なく話すには、およそ一万語の語彙が必要なのだそうです。(wikipedia参照)
ただし、たいていの場合、そのうち頻繁に使いこなせるもの(活用語彙)はごく限られます。あとの残りは年に一度使うかどうかという頻度ですから、知っている(知識語彙)という程度です。図にすれば、てっぺん高く、裾野に向かって大きく広がる東京タワーのようなイメージでしょうか。
日常において使いこなすためには、言葉を努めて活用していくことが必要と言えそうです。

ある日、音楽の授業をしながら、強弱記号や音符の理解がなかなか定着しないことに悩んでいました。小学校生活6年間で習得すべき音楽記号は、画像の通りけっこうな数にのぼります。(小学校学習指導要領解説より転載)


 音楽教科書のどこかで、必ず一度はふれているはずのものです。でも、習ったきりになってしまい、子どもたちが知っていることを活用するに至っていないことが、定着を妨げているのではないか、と考えました。

 そこで、上の記号たちをフラッシュカードにして、いつでも復習できるように、と考えました。職場の先生方の了承をいただき、音楽室の黒板横に常備させてもらいました。


 左から順に、強弱記号編・その他の記号編・音符休符編の3冊です。
 授業中に扱う楽曲に、確認すべき音楽記号が出てきたときは、これを使って名前や意味を確認します。
 また、強弱記号の習得にも活用します。歌い方を十分に覚えた歌(校歌など)を使い、先生の出したカードの強弱記号の通りに歌います。実際にはあり得ないような強弱がつき、ゲーム感覚で練習できます。

 そんな小さな積み重ねを通して「知ってる」が「使える」になったら、子どもたちの人生に少しは役立てる気がします。自称「歌う国語教師」の、ささやかな挑戦です。
(斎藤佳太)

 

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