2017年2月19日日曜日

校内研究はどのように引き継ぐべきか

 勤務校の研修は、3年次計画の3年目を終えました。
 次の担当に引き継ぐために心がけたことは次の4点です。

  1 全てのデータを残そう
  2 活動の枠組みを残そう
  3 「議論から逃げない」姿勢を残そう
  4 でも、「捨てられてよい」という余白も残そう

 こんな発想で「校内研修の引き継ぎ」を考えてみました。

1 全てのデータを残そう
 研修部の活動にかかわる全てのデータを残すことを心がけています。研修部としての企画文書に止まらず、以下のデータを校内のサーバーに保存しています。
 ① 研修部提案文書(活動計画や指導案書式)
 ② 研修部通信・ソースになった資料
 ③ 外部講師への依頼状・礼状
 ④ 指導案・ワークシート・授業記録
 ⑤ 研修部内の議題をまとめた文書
 ⑥ 研究紀要書式・原稿・業者への発注文書
 ⑦ 公開授業の写真データ
   ⑧ 全体研修のPPTスライド
   ⑨ 授業づくりワークシート
   ⑩ 「書くこと」指導事項系統表
 ⑪ 研究紀要発送の鑑文
 これらのデータを日付順にソートしとくことで、「いつ」「どんな内容を」発信していたのかがわかるようにしておきます。最低限の仕事ですが、「過去の仕事は全て現在の叩き台」となるように整備しました。

2 活動の枠組みを残そう
 校内研修には、その学校の研修が歩んできた歴史があります。内容はその時々によって重点の置き方が変わっても、年間の行事予定のように、物理的に「この中でやらなくてはならない」という規制も働いている中での活動です。つまり、如何に工夫しようとしたとしても、物理的に動かしようのない「時間(=研修のコマ数)」というフレームがあり、年度ごとの反省の度に最適化の努力を重ねた結果がその学校の研修体制です。
 そう考えると、新しい年度を迎える度に一から作りあげるのは大変な労力であるとともに「やってみたけど、結局、以前と同じような進め方になった」となりかねません。それではロスの方が大きく、貴重な時間を費やす意義も見出しづらくなってしまいます。
 どの程度まで校内のコンセンサスが得られているのかにもよりますが、例えば本校の研修推進の枠組みは次のようになっています。

 【1学期】
  ・研修部年間活動計画提案
  ・研究紀要プロット提案
  ・外部講師による現職研修
  ・研修部提案授業/指導案書式提案/事後研の進め方の確認
 【夏休み中】
  ・指導案作成
 【2学期】
  ・指導案検討会
  ・全員授業公開
  ・研究紀要見本原稿提案
 【冬休み中】
  ・研究紀要原稿作成
 【3学期】
  ・研究紀要丁合い・製本
  ・次年度計画立案

 こうした、「中身は教科でも領域でも構わないけれど、動き方としては一定」という枠組みが残っている状態が、後任に優しい体制なのではないでしょうか。どのような「料理(研究内容)」を盛りつけてもよいが「皿(活動の枠組み)」は既にある、という状態です。「この皿は、大変貴重な皿である」という価値付けも同時に行います。過去の研究紀要を繙くと、そのヒントが得られます。過去の研究紀要は、代々の研修主任が、職員とともに向きあってきた学校の課題が記録されています。何に悩み、越えようとしてきたのか。丁寧に読んでいくと、それを綴った当時の試行錯誤が伝わってきます。その過去の取り組みと現在の取り組みをつなげて語ったときに、「本校はこういう課題に向きあってきた。だから現在がこうなのだ」と言うことができます。歴史を語れることは,説得力を高めることにつながるのではないかと考えています。

3 「議論から逃げない」姿勢を残そう
 どんな体制になったとしても、考え方というのは多様です。よく引き合いに出される「パレートの法則」のように、賛同者・中間層・批判者の割合は「2:6:2」です。まず始めに「どのようなシステムを敷いたとしても、必ず批判は受ける」という諦念は必要なのでは、と思います。
 その上で、「議論のタネ」というものは、賛同者からも、中間層からも、批判者からも得られるものですし、そこから中間層を大きく引き込む結果につながり賛同者が増えることも考えられます。そう考えると、疑問や異論は歓迎すべきものです。何も「論破せよ」というのではないのです。「すみません、研修部の考えが足りませんでした」と謝る必要もありません。
 大事なのは「研修部としての見解」をしっかり出して、向きあうことです。
 ある年、こんなことがありました。研修部の年間活動計画に対して、次のような意見が出されたのです。

「国語科で研究をするのは構わない。だが、内容をある程度絞らなければ結局は研修成果が見えづらいのではないか。」

 3年次計画の1年目の提案でした。教科は国語としつつも、領域を「話す聞く」「書く」「読む」「言語事項」のどれでもよいとした背景には、研修部の中に「絞ると『やりづらい』という批判を受けるのではないか」という腰の引けた考えがありました。そこへの意見です。結局、紆余曲折があって1年次には絞りませんでした。そして、2年次からは内容を「書くこと」における「説明的な文章」と思い切った焦点化をしました。その結果、何が起きたかというと…。

 全体研修の場における質問が激増した

 つまり、それまでは「なんでもいいですよ」「先生方のやりやすいようにやってください」という姿勢を取ることによって、そこからうまれる軋轢や説明責任から「逃げていた」わけです。研修部の腰が引けていては、議論は始めから噛み合いません。そのような研修への参加意欲も当事者意識も低くなってしまうのは自然なことです。研修部が腹を括って、研究内容を焦点化しました。場合によっては、それを負担に感じられる先生もいるかもしれません。見通しがないことについて不安を覚えるのは仕方が無いことです。全体研修の場で受けた質問に対して、答えられるものはその場で答え、答えられないものについては持ち帰って検討することを約束しました。
 「持ち帰って検討する」ことを約束した内容については、必ず、調べて研修部通信にまとめ、職員全体で共有することにしました。また、そのソースになった資料については研修部で共有しました。「1」で述べた校内サーバーに保存し、いつでも閲覧できるようにしました。
 このように、研修部が「議論から逃げない」姿勢を見せることによって、校内研修の時間における話し合いは活性化しました。校内研修の画像を開くと、そこには色とりどりの付箋が貼られ、分類され、成果と課題が明らかになった模造紙が並んでいます。見た目にも充実していると自負しています。しかし、ワークショップの手法を取り入れることは大切ですが、それだけでは本質に迫ることは難しいです。その大前提には研修部が議論から逃げないという姿勢が重要だった、と気付かされました。そうなったときに、批判者は、実は批判者ではなかった、ということもようやくわかりました。「全員で進める」というのは「全員が賛同者になる」という意味ではありません。批判や異論も推進力にするということなのではないかと考えています。

4 でも、「捨てられてよい」という余白も残そう
 ここまでを基本的なスタンスとして、次年度の研究主題と年次計画(5年計画で2年次に見直し)活動計画と新しい指導案の書式はつくってあります。会議を通せばそのままで動き出せる形にしてありますが、あくまでも「案」であるという方針を打ち出しています。
 現在の研修部から見える景色を前提としているこの計画は、やはり「現在の風景」に過ぎうません。年度が替われば、子どもも職員も変わります。学校に働く力学も変わるでしょう。現在の視点から最適だと思える計画も、風景が新しいものになれば取り組みづらいものになるかもしれません。実際にどのように動くのかは新しい担当者に委ねるしかないわけです。
 ですから、「28年度スタッフはここまで考えました。このまま動くのも、別の計画で動くのもお任せします」という引き継ぎ方をしようと考えています。それがよいのかどうかはわかりませんが、少なくとも選択肢は増やしているはずです。何年かしたら後任の方や、他の先生達に、この引き継ぎの仕方はどうだったのかフィードバックをいただこうと思います。

 最後までおつきあい下さり、ありがとうございました。
                                                        (2017/02/19 藤原友和)

2017年2月11日土曜日

「自分らしさ」って何だろう


 
 昨年の12月3日に帯広で行われた、BRUSH-UPセミナーに参加してきました。「これが私の生きる道」「自分らしさってなんだろう」というテーマや講座内容に強く魅かれました。



学生生活では、「失敗しないように」「叱られないように」学校生活を送っていました。社会人1年目に、ある人から「辻村さんって特徴ないよね」と言われました。恥ずかしくなったと同時に自分でも「その通りなんだよなあ」と思いました。自分に自信が持てなくて、周りの目が気になってしまう。だから自分の思いが言えない。「自分らしいってなんだろう」「私らしいってどういうことだろう」と頭がぐるぐるしてしまうこともあります。そんな思いもあって、参加しました。



道中では、道路の真ん中で大きな雄鹿に1頭、道路脇に佇む雌鹿2頭と出会いました。さすが北海道だと思いました。絶対ぶつからないようにしようと思い、到着した帯広は都会でした。市内にスタバが2軒もあって、さらに都会に見えました。



 講座に参加して、たくさんの方のお話を聴くことができました。

 

 今の私の心に深く残る言葉がいくつもありました。(この言葉だけ読むと、何のことか分からないかもしれません。すみません。)



「誰のための指導なのだろうね。」

「できなさを理解する。許す」

「男性だからできやすいこと。女性だからできやすいこと。」

「自分で考えて、自分で決める」

「伸びていく人は、リフレクションが上手」




 講師の先生方のお話を聞いていると、皆さん本当に様々な経験をされていました。良いこともそうでないこともお話してくださいました。そして皆さん、「人との出会い」を語っていました。私は、講座最後のリフレクションで、「今の自分を認めて、コレかなあと思うことを続けていくこと。それが自分らしさに近づいていくことかな。」と書きました。今の自分を認めていくこと、できない自分を知ること、そこから学んでいくこと。そして「人との出会い」を大切にしたいと思います。


 BRUSHUPでたくさんの人に出会うことができます。ご縁をいただくことができます。時折苦しいこともありますが(笑)、「私らしく生きていく」ために、学び続けていきたいです。帯広は素敵な町でした。ありがとうございました。斜里にもスタバがほしいです。

(辻村 佳子)

1年生の教室に常備しておくとよいもの

今年度は,11年ぶりに1年生の担任になりました。
学年を組んでいる同僚も11年ぶりです…。
年度初めは,色々と試行錯誤したものです。
そして,もうすぐ1年が終わろうとしています。

そこで,教室に常備しておいてよかったものを3つ取り上げてみます。
ものによっては学校で用意してあるものもあるかと思いますが,ここでは自分で用意したものを取り上げます。

①ガムテープ
掃除の時に大活躍。掃除当番の仕事が終わった子は,ガムテープをちぎって教室の隅をペタペタ。
遊ぶ子なんていません。というより,休み時間もやっています。
机や椅子の脚の裏なんかもきれいにできます。
コロコロの粘着テープや色々なガムテープを試しましたが,100円程度の安価なクラフトテープが床に張り付かず,ちぎりやすく,使いやすいです。

②ポリ袋(小)
100円程度で100枚のものです。
給食で揚げパンが出たときに,揚げパンをポリ袋に入れてからお皿の上に載せて配膳しました。
袋に入れることでしっかり持って食べられる,落とす子がいない,きな粉が散らからないという感じです。
給食で納豆が出たときなんかは,班に1枚渡しておくと,班で納豆のゴミをひとまとめにして片付けがスムーズにできます。

③ウエットティッシュ
100円ちょっとで70枚入りのものを使っています。
たまに日課で清掃なしという日があるとき,机拭きに使用します。また,図工が4時間目で机雑巾をぬらして絞って,拭いて,雑巾を洗って…の一連の作業の時間が難しいときにはこれで対応していました。
給食などで誤って床をこぼしてしまった時にも使いました。
雑巾を使ってきちんとやることも大切ですが,時短が優先されるときには使っています。

他にもありますが,思い付いた3つ(ベスト3)を挙げてみました。

               (大西 陵公)

2017年2月5日日曜日

第86回 旭川集会終了!

2月4日(土)、旭川市の上川教育研修センターにて、旭川集会を開きました。
5大都市連続セミナーの第一弾として、札幌以外のまちでは初めての模擬授業12連発集会でした。

国語・道徳・学活という3つの分野について4本ずつ、計12本の授業を受けて比較する中で、「主体的・対話的で深い学び」のある授業づくりについて考えました。

授業者にはブラッシュのメンバーに加え、上川管内を始めとした道北の先生方に多数ご登壇いただきました。参加者も、旭川周辺から広くお集まりいただき、様々な交流をすることができました。

対話のある授業を考えて持ち寄りましたので、必然的にグループ活動が多く展開されました。参加者の皆様の意識の高さから、どの授業でも活発な交流がなされました。

4本の授業が終わるたびに、模造紙の記録を見ながら授業者と「対話」を行い、授業づくりについての理解を深め合いました。

とはいえ、「深い学び」に至るまでにはまだまだ工夫が足らないことがよく分かりました。

12本の授業を受け、髙橋裕章先生・堀裕嗣先生の対談を聞き、さらにグループワークによって今後の授業づくりに大切なことを探しました。

今回お集まりいただきました皆様に感謝いたします。
5大都市セミナーは来年度にかけて続きます。
今後とも、ぜひご参加くださいませ。


2017年2月2日木曜日

第92回教師力BRUSH-UPセミナーin札幌のご案内

~模擬授業12連発!5大都市連続セミナーfinal~ 

五大都市連続で行う「模擬授業12連発セミナー」のファイナルを札幌にて開催します!
30年度から教科となる道徳での模擬授業です。
そして、今回は、なんと価値項目ごとに対決型で模擬授業をします。

道内の実践家が6つの価値項目ごとに、どんな教材で、どんな授業をするのか。
かなり刺激的で、熱い1日になります。語り継がれる1日になります。

たくさんの参加をお待ちしています!


日時:2017年7月22日(土)
場所:札幌市産業振興センター(予定)
定員:40名
参加費:3000円


09:00~09:10 受付
09:10~09:15 開会セレモニー

記録者:藤原友和・増澤友志(他交渉中)
模擬授業対決1「希望・勇気」
09:15~09:30 模擬授業1/太田充紀(上川・小学校)
09:30~09:45 模擬授業2/渡部陽介(札幌・中学校)

模擬授業対決2「尊敬・感謝」
09:45~10:00 模擬授業3/福川洋枝(上川・小学校)
10:00~10:15 模擬授業4/山河 愛(十勝・小学校)
10:15~10:30 交流タイム(模擬授業1~4)

模擬授業対決3「思いやり」
10:45~11:00 模擬授業5/三浦将大(渡島・小学校)
11:00~11:15 模擬授業6/斎藤佳太(胆振・小学校)

模擬授業対決4「生命尊重」
11:15~11:30 模擬授業7/西村 弦(十勝・小学校)
11:30~11:45 模擬授業8/高橋裕章(札幌・小学校)
11:45~12:00 交流タイム(模擬授業5~8)

模擬授業対決5「家族愛」
13:00~13:30 模擬授業9/宇野弘恵(旭川・小学校)
13:30~14:00 模擬授業10/山下 幸(札幌・中学校)
14:00~14:10 交流タイム(模擬授業9・10)

模擬授業対決6「正義」
14:20~14:50 模擬授業11/大野睦仁(札幌・小学校)
14:50~15:20 模擬授業12/堀 裕嗣(札幌・中学校)
15:20~15:30 交流タイム(模擬授業11・12)

15:45~16:45 クロージングセッション/藤原友和(渡島・小学校)

2017年1月28日土曜日

第90回 教師力ブラッシュアップセミナーin帯広のご案内

「十勝で味わう国語の価値 模擬授業12連発」

 主体的・対話的で深い学びを目指した国語の模擬授業


 小学校6年間の総授業時数5645時間。その4分の1を占める国語。すべての学習を支える教科といっても過言ではありません。しかし、その時数の多さと、学習効果を比例させることが難しいと感じませんか?

 「主体的・対話的で深い学び」を積み重ね、国語の価値を再認識することができれば、その成果はより深く、広いところまで及びます。「話す・聞く」「書く」「説明的文章」「文学的文章」を各3本ずつ、計12本の模擬授業を体験できる今回。それを受けての対談。刺激的な時間になること、間違いいありません。



【日時】平成29年6月24日(土)9時20分~17時30分

【場所】とかちプラザ(予定)

【参加費】3,500円(お弁当・お茶付き)

【プログラム】
9:30~ 9:50 【話す・聞く①】太田 充紀
9:50~10:10 【話す・聞く②】黒川 達也
10:10~10:30 【話す・聞く③】横田 陽子
10:30~10:45  交流 
10:55~11:15 【書く①】山口 淳一
11:15~11:35 【書く②】山河 愛
11:35~11:55 【書く③】藤原 友和
11:55~12:10  交流
12:50~13:10 【読む-説明的文章①】西村 弦
13:10~13:30 【読む-説明的文章②】木下 尊徳
13:50~14:10 【読む-説明的文章③】新川 宏子(高橋 裕章)
14:10~14:25  交流
14:35~14:55 【読む-文学的文章①】斎藤 佳太
14:55~15:1
5 【読む-文学的文章②】三浦 将大
15:15~15:35 【読む-文学的文章③】宇野 弘恵
15:35~15:50  交流
*各グループ後の交流 
 ファシリテーター:大野 睦仁
 コメンテーター :高橋 裕章・堀 裕嗣・友利 真一
16:00~17:30 対談 ・リフレクション
            大野 睦仁・高橋 裕章・堀 裕嗣・友利 真一
*FG:藤原 友和・新川 宏子・横田 陽子・山河 愛・木下 尊徳



お申し込みは↑上記リンク↑をクリック!



2017年1月17日火曜日

私の仕事術

長かった北海道の冬休みが終わり、学校生活の日常が戻ってきました。あっという間に過ぎていく3学期ですが(地域によっては後期4節とか言ったりします)、やることも多くて決して暇ではありません。
必要な仕事に時間を割くためには効率よく進められる部分さサクッと終わらせることも大切です。3人の子供がいる(中2、小2、4歳)私の一日をちょっと振り返ってみます。

ある日の私の一日です。
午前3時30分    起床。
        コーヒーを入れて仕事を開始。
        時間割作成からスタートして、教材研究や学級通信も書く。
午前5時50分    仕事終了。朝食の準備と寝室から二女と長男をリビングへ移動させる。
午前6時              録画してあったアニメを流し、子供たちの目覚めを促しながら朝食準備。
午前6時20分    「早く食べないとテレビ消すぞ」などと脅かしながら急かす。
        その間に自分の身支度と子供たちの服を用意。
        ゴミ出しを行い、ふろ掃除を終わらせて朝食の進み具合を確認。
午前6時40分    「そろそろ起きないとやばいぞ」と長女の部屋の電気を付ける。
        再び外へ出て、自動車のエンジンをかける。
午前6時45分    長男に洋服を着せていると、二女が洋服に文句を言い始める。
        イラッとしながら「だったら自分でもってこい」と冷たく言い放つ。
午前6時50分    保育園に通っている長男を連れて出勤。
        二女と玄関前でタッチして別れる。
午前7時              保育園到着。朝の先生に挨拶。
        ジャンパー、連絡帳を所定の場所におき長男とさよなら。
        学校へ向かう。
午前7時55分    冬の高速道路にいらいらしながら始業時刻に滑り込む。
        勤務開始。

★学校で仕事★

午後5時              冬期間は渋滞の予測がつかないので早めに退勤。
午後5時50分    道路状況が良くスムーズに保育園へ到着。
午後6時10分 二女の通う児童館に到着。
午後6時15分 帰宅。
        夕食の準備。
午後7時              中学生の長女帰宅、夕食を食べさせる。
午後7時30分 子供たちを風呂へ入れる。
        二女の宿題とその〇つけ(面倒だなと思いながら…)。
午後8時50分    下の子二人を寝かすために寝室へ。
        長男が絵本を読めというので文章を少しとばしながら読む。
        二女が「ここ読んでないよ」と余計な一言を言う。
午後9時頃           二人を寝かしながら一緒に寝てしまう。
午前3時30分    起床。
        以下、はじめに戻って同様に一日を繰り返す…。


 妻の仕事が不規則な時間帯で動く職種のため、子供に関することは私が受け持っています。こんな生活をかれこれ10数年続けています(保育園も同じだけ通っています。古株になりました…)。お母さん先生にはきっと共感いただけるはず!

 こんな私が仕事をする上で気を付けていることを3つ紹介します。

その1 今できることは今やる(明日できることもできるならやってしまう)
 子供はいつ熱を出すかわかりません(お母さんはわかりますよね!)。明日やろうと思っていたことが、予定通りできないことなんてざらです(この時期、保育園からの電話が恐怖…)。行事の反省や学級事務(テストの〇つけ、掲示物の張り替え、提出物のチェックや整理など)は気づいたらすぐやるのが鉄則です。

その2 いい加減を意識する
 いい加減=「適度な加減」です。決して手抜きをするわけではありませんが(たまにします…)、時間的に厳しいものは割り切って妥協することも必要です。学校の仕事は完璧にやろうと思うと際限なく仕事が増えます。すべてを10割の力でやらずに6割でいいものは「いい加減」で仕事をすることも仕事を停滞させないコツです。

その3 無理をしない
 無理は禁物です。体調を崩すと学校はもちろん家庭内でもいろいろと大変です(あなたの体はあなただけのものではありません!)。逆に学校の仕事は替えがききます(あなたが思っているほどあなたじゃなきゃダメな仕事は少ないものです)。健康であることが仕事を効率よく進める最も大切なポイントです。コンディションの管理はプロとして大事ですよね。

 今まで全てを全力でこなしてきた力のある先生ほど、家庭ができて両立に悩むものだと思います。特に、産休明けの女性の先生なんて身軽だった時代とのギャップに苦しんでいるのではないでしょうか。
そんな人を周りで支えるのはもちろん(職員室のあの人、大変なんですよ!)。自分自身でも仕事の仕方を「モデルチェンジ」するといいのではと思っています。私の場合も1人目、2人目、3人目と家族が増えるたびにそれまでの生活との違いに戸惑いました(「マイナーチェンジ」を繰り返しながら今に至ります)。

 本当に時間をかけたいもの(自分自身の研究テーマみたいなもの)は「片手」にしっかりと握り、もう片方の手はフリーにしてその時その時に必要なことを持ち替えながら仕事をしていくのもいいのではと考えています。持ちきれない荷物はいったん置くことで、もっといい持ち方(効率的な持ち方)に気付くこともできるものです。


山本和彦(北広島市立大曲小学校)

2017年1月15日日曜日

何気なくしていること

 日々,何気なくしていることがたくさんある。このときも何気なく子どもにあるお願いをした。
 
 外部講師にお礼を書く機会があった。一人ひとり小さな紙にお礼のメッセージを書き,色画用紙に貼った。色画用紙には,「○○さん ありがとうございました」と題字を書き,渡すことにした。そして,ある子にその題字を書くことを何気なくお願いした。すると,その子はとても喜び,「緊張する~」と言いながらも,はりきって書いてくれた。その子の日記には,「頼まれてうれしかった。緊張したけど,一生懸命がんばって字を書いた」という内容のことが書かれていたほどだ。
 また,周りの子たちも書いた字を見ながら,「お~」「うまい!!」などと言っていた。さらに,「○○(子どもの名前)うまいからな」と言っていた子もいた。

 この何気なくお願いしたできごとから感じたことが二つある。
 一つ目は,何かをお願いするということは,言葉には表していないが,「あなたを認めていますよ」というメッセージを伝えている可能性があるということだ。ある意味「隠れたカリキュラム」の一つである。

以下引用開始
『「隠れたカリキュラム」とは、「教育する側が意図する、しないに関わらず、学校生活を営むなかで、児童生徒自らが学びとっていく全ての事柄」を指す。学校・学級の「隠れたカリキュラム」を構成するのは、それらの場の在り方であり、雰囲気といったものである。』
引用終了

引用元
文部科学省人権教育の指導方法等の在り方について[第二次とりまとめ]
 第1章第1 3人権感覚の育成を目指す取組』
 
 
 このできごとの場合,お願いしたことによって,「あなたは,字が上手だよ」ということ伝えていたかもしれない。また,周りの子たちにも,「先生は,○○(子どもの名前)は字が上手だと思っている」「字が上手だから,○○(子どもの名前)にお願いしたんだ」ということを伝えていたかもしれない。さらに言えば,「自分はお願いされないから,字はうまくないんだな」とか,「先生は,自分の字は上手だと思っていない」ということも思わせていたのかもしれない。

二つ目は,力を伸ばす機会をいろいろな子につくっているのかということだ。
 題字を書いた子は,お礼のために書くということを知っていた。だから,相手や目的意識をしっかりもって書いていた。それが,「緊張する~」という言葉にも表れていたと思う。その子は,緊張感の中書くことで,授業だけでは得られない,力を伸ばす大きなチャンスを得ていたともいえる。
 では,そのような貴重な機会を,他の子たちにも果たしてつくっているのだろうか。また,今後つくっていけるのだろうか。自分が,その子にお願いしてしまったことで,実は他の子の力を伸ばすチャンスを奪っていたともいえるのだ。
 
 日々,何気なくしていることがたくさんある。その何気なさが,子どもたちに意図していないメッセージを送っていたり,力を伸ばす機会を奪ったりしている場合もあるということを忘れないようにしていきたい。
(三浦 将大)

2017年1月7日土曜日

ウィンターセミナー終了!

1月7日(土)、足下が悪く、しかも三が日から間もなくにもかかわらず、たくさんの方にご参集いただき、ウィンターセミナーを開催いたしました。ご参加ありがとうございました。

講師として、石巻から佐々木潤先生にお越しいただきました。
教職歴30年を超える佐々木先生のこれまでの実践や、これからの学級づくり・授業づくりについてのお話をうかがいながら、私たち自身の「新年度/これから」について考えを深めました。



そのためには、一人一人が「これまで」について振り返っておくことが大切です。私たちの集会では「チェックイン」「チェックアウト」という時間を設け、自分事として考える機会とすることを重視しております。今回は函館の三浦将大先生のリードによって行いました。





続いて、「これから」を意識した模擬授業。北広島の山本和彦先生の社会科・音更の西村弦先生の総合的な学習の時間の模擬授業を通して、「これから」を見据えた授業づくりについて考えました。どちらの授業にも、授業者の考える「これから」につながるしかけが施されていました。

模擬授業の講評を含めて、メイン講師の佐々木潤先生の講座が行われました。子どもたちに付ける力を明確にもつこと、そして学習の全体像を子どもたちに分かりやすく示すことの大切さを始めとして、多様な視点から教えていただきました。

昼を挟んで、教室づくりについての講座です。教師自身のキャラクターを考慮しつつ、笑うこと・笑い合うことのよさをふんだんに取り入れた佐々木先生の教室づくりを垣間見ることができました。

当セミナー代表:大野先生と佐々木先生との対談では、参加者のみなさんの疑問・質問をベースに、佐々木先生の実践についてさらに考えが深まっていきました。

休憩時間になっても、参加者同士・参加者と講師の対話が途切れませんでした。

最後のチェックアウトでは、チェックインと同じく「新年度/これから」の学級づくり・授業づくりで大切にしたいことを考えました。今朝と夕方とでは、参加者のみなさまが書かれた内容に違いがありました。この日一日の学習を通して、何か現場での実践に生きるものがあれば幸いです。



ご参加いただいた皆様に感謝いたします。
ご記入いただいたアンケートはメンバーで拝見し、次回以降の集会づくりに活用させていただきます。

2017年1月4日水曜日

健康な笑顔で

 教員になって18年たちます。初任校にいた頃を思い出してみると、よくどなったり怒ったりしていたなあと思います。自分の思う通りに子どもが動かなかったり、言うことを聞かなかったりすると、どうにもならずに大きな声を出していたように思います。だんだん大声を出さなくなってきたのは、経験を積み重ねてきたことが少しは役に立ってきたのかな、とも思っています。子どもに通じるように話すことだったり、うまくいかないことを許せる余裕だったり、あとどのくらいしたら出来るようになるかわかっていたり……怒鳴らなくてもよくなってきた、というのが自分としても安心できることです。

 ところがここ最近、大きな声を思わず出してしまうことが何度かありました。「あれっ、怒るようなことでもないのにな……」と思うようなことで怒鳴ってしまい、自分でもわけがわかりませんでした。そんな時には落ち込んで、1日がっかりして過ごしてしまいます。何度かあった後で振り返ってみると、どうも体調の悪い時、疲れている時にそういうことが起こりやすいような気がします。自分も40歳を過ぎて、すっかりおじさんになってきました。徐々に体が変化してきたことを感じています。疲れやすかったり、イライラしやすかったり……そうした変化に自分自身が戸惑うこともあります。教員として技量を上げるために学ぶだけではなく、体調を管理していくことも大切なんだと感じるようになりました。

 教員の仕事はやろうと思えばきりなくあります。部活動問題がクローズアップされたこともあり、教員の過重労働が話題になることも増えてきました。今も全国に過労死ラインを超えて仕事をしている方もたくさんいるのではないかと思います。自分も30代の時は学芸会前に16時間労働を3週間続けるなんてこともありました。今はそんなことはとてもできません。おだやかに子どもたちに接するために、効率的に校務をしながら子どもと向かい合う時間をきちんと取っていくことができればいいなあと思っています。冬休みにゆっくり体を休めて、残り40日あまりの3学期を、まず担任が健康な笑顔で迎えたいと思っています。
(増澤友志)