2015年12月13日日曜日

「やらない」ではなく「できない」?


 2学期もまもなく終わりを迎えようとしています。学期末事務に追われながらも「あと数週間で終わる……。」と冬休みを心待ちにしている方も多いかもしれません。

 さてこの2学期、あなたが一番苦しんだことはなんでしょうか。授業が上手くいかない、生徒に指示が通らない、学級の子ども同士の人間関係など様々あることでしょう。これまでの9カ月間自分なりに指導してきたつもりなのに、なぜか成果が挙げられなかったもの、変化を感じられなかった、そういうものに「苦しみ」を感じることでしょう。

 このような問題に対して、私たち教師は「どうしたらうまくいくのだろうか?」と「How」の思考で考えがちです。熱心な教師ほど現状を「なんとかしたい」と思い、書籍で紹介されている手法を用いたり、他の同僚教師を参考にしたりと試行錯誤します。それでも一時的な効果が得られる程度でなかなか本質的な変化は起こりません。「どうしてちゃんとやってくれないんだ。」と深みにはまることになります。この負のループに乗ってしまうと苦しみから逃げるのは難しいものです。私自身もまさにこの負のループにはまっていた2学期でした。

 表題の言葉は先日参加した研究会で旭川の宇野先生が講座の中でおっしゃっていた言葉です。自分の思うようにいかない原因は子どもが「やらない」という態度の問題ではなく「できない」だけなのかもしれない。研究会の後、生徒を見る視点をこのように変えるだけで日々の苦しみに対するものの見え方が変わりました。すぐに子どもに変化を起こせるわけではないのですが、少なくとも自分の苦しみが軽減され、冷静に対応できるようになれたように思います。

 我々教師はうまくいかないことがあると、すぐに「心」の問題や「やる気」の問題と捉えてしまいがちです。自分自身や同僚の「うまくいかなさ」さえも「やる気」の問題にしてしまう方も多いように感じています。しかし単純に「できないだけなのでは?」と思考を転換することで同じ事象でも見え方は変わるものです。来年はより多角的に子どもを捉えられるようになりたいと思います。(髙橋和寛)

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