2018年1月23日火曜日

「私とリフレクション」

 現在私は,特別支援学校高等部3年生の担任をしている。また,分掌は進路支援部に所属し,子どもたちの進路選択や進路決定をサポートしたり,外部施設との連携を図ったりすることを中心とした業務に携わっている。今一度,本校赴任以来の1年半を振り返る。


1.   学校の「仕組み」にとまどう

 本校に赴任して最初の壁が‘複数担任制’だった。これまで,特別支援学級担任として

1学級を1人で経営する経験が長く,普通学級と同じように在籍する児童に関わる業務の全てを担ってきた。しかし複数担任制となると,1学級に3人の担任がいて,生徒や保護者との関わりはその都度共通理解を図り,分業しながら進めることとなる。また,授業は学年または高等部全体(高1年~高3年)で行うため,私がMTとなる授業は週1~2時間で,自分の学級以外の生徒を指導することもしばしばある。また,同じ学級の担任だからといって,勿論教育観が同じ訳ではない。勉強になることもあれば,すれ違いもある。さらに,高等部には進路専従教諭がいるため,学級生徒の保護者と進路の先生が直接やり取りをして現場実習や必要な書類,手続き等について話を進めることも多い。


2.必要だったこと

 このような現状の中,学級担任間での共通理解に留まらず,日々の授業においては他学年や他学級の先生と,進路については進路の先生との事前の確認や日常的な会話を通して,目の前の子どもたちの姿を共有しなければならない。学級単位での枠組みはほとんどなく,教師全員で生徒一人一人をサポートしていくというスタンスである。様々な視点や立場からの手立てを講じることで,より的確な生徒の実態把握に努める,ということであろう。そのために必要不可欠なものは‘コミュニケーション力’と‘迅速な行動力’である。他学級や他学年の生徒とのコミュニケーションはもちろん,先生方とのコミュニケーションは最も重要な要素を占めている。人見知りや自分の思いを伝えることが苦手な私にとって大きな試練でもあった。「言わなくても分かるだろう」「無理やり話題を考えてまで雑談する必要ない」と,どこか冷めていた考えは一変した。積極的なコミュニケーションは,より丁寧な仕事につながり,楽しさを生み出す。また,生徒に関わる小さなことでも話しやすくなり,生徒への還元としては,適切な手立てや指導へとつながっていく。そして,授業や行事,事務的業務などあらゆる‘仕事’は,細かな役割分担がなく,自分がやらなくても誰かがやってくれる。逆に,自分がやらなければ完成したものしか見えず,そこまでの過程を知ることはできない。つまり次に活かせず,自分の学びは生まれない。また,分担のない仕事が多い故に,自分のペースのみで働いていると,取り組もうと思った時には既に誰かが行ってくれていて,自分の考えていたことができなかったり,学びと経験のチャンスを逃してしまったりすることもよくある。また,興奮状態や不安定な生徒,てんかん発作を起こした生徒の対応においては,いつ何が起こるかわからず,さらには不安定な友達の姿を見て,別な生徒が落ち着かなくなることもある。そのため,当該生徒への対応のみならず,周囲の生徒の安全確保といった事態は日常生活の様々な場面で起こるため,瞬時の的確な判断と行動力が求められる。このような背景から,自分の意欲次第で仕事の量も質も大きく変動することが,これまでの勤務校以上に痛感するところである。


3.今後の課題

 教師間のコミュニケーションにおいては,引き続き積極的な関わりの場をつくると共に,近すぎるがために来す支障が出ないように適切な距離感をも見極めることに努める。また,先輩の先生方から生徒と関わる姿勢や方法,手立てを学んだり,生徒との直接的な関わりや家庭との情報交換をはじめとした連携から実態把握を図ったりすることで的確性を身に付けながら,迅速な行動力と対応力につなげたい。



田中のぞみ

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