2017年10月9日月曜日

「密かな変人力」を身につけよう


 先日、道徳授業改革セミナーで愛知の鈴木健二先生のお話を聞く機会に恵まれました。鈴木先生は講座の中で、道徳の授業をするには「素材発見力」「教材活用力」「教科書活用力」が重要だと述べておられました。わたしは道徳の授業をつくるときにも、いつも悩んでばかりです。ただ、今まではただ漠然と悩んでいたのが、この3つの括りで、わたしの頭の中がだいぶ整理されたような気がしました。

 その中の「素材発見力」について鈴木先生は、とにかく「何気ないことが気になる感覚」がなければいけないとおっしゃいました。鈴木先生自身は、ペットボトルや箸袋に書いてある文字、地下鉄の中刷り広告やテレビ番組に至るまで、あらゆるものから道徳の素材を見つけておられました。ご自分で「人はこれを病気といいます」などと笑い話にしておられましたが、わたしは自分自身の甘さを痛感しました。この「何気ないことが気になる感覚」を磨かないことには、何も始まらないのではないかと思うのです。

 このところ、年齢を重ねていくにつれて、涙腺が緩んでしまうことが多いです。でも、わたしはただ漫然と、涙を流していたに違いありません。記憶に残っていないものも多々あります。それではいけないのです。心の揺れを何かカタチにして留め置くことができなくては、単に時間だけが過ぎていく人生を送ることになっていかないかなぁと思うのです。ましてや、子どもたちの前に自信をもって立つことなどできないなぁとも。

 最後のクロージングセッションで、自分がしたい道徳の授業像から、そのために「変わるべきこと」「付け加えるべきこと」をグループでシェアする活動をしました。わたしたちのグループでは、「感動に気付く力」という考えが出されました。少しでも鈴木先生のようになりたいということから「密かな変人力」という言葉も出てきました(笑)。これがとても気に入りました。単にアンテナを高くとか、視野を広げるとかではなく、「何気ないことが気になる感覚」の持ち主という意味での「変人力」をこれから少しずつ、本気で身につけていきたいのです(とうてい、鈴木先生には追いつきはしないのですが)。まずは、おもしろい!ステキだ!と思ったものや事柄を集めることからはじめて、「変人」への道を歩み始めようと思います。(山口 淳一)

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