2017年12月18日月曜日

定時制の商業高校から全日制の普通科高校に転勤して8か月、諸事情でひと月半離脱しましたが、初めての公立高校全日制普通科ということで、あわただしく時間が過ぎています。教えているのも、ほぼ古典のみ。文法で助動詞まで教えるのは10年ぶりという私にとっては、学び直すいい機会となっています。
さて、現任校に赴任してから、毎単元に必ずリフレクションを取り、生徒全員にリフレクションという新しい試みをしています。1学年では毎単元リフレクションをとり、2学年では10月から長い単元では単元で2回、短い単元では毎単元ごとのリフレクションに切り替えました。
とくに、1年間古典を学習し、2年目から教科担任が変わった2年生では、すでに学習内容の定着度合に結構な差があったため、意図的に丁寧にリフレクションを行いました。生徒にはわかったところとわからなかったところを詳しく書いてもらうなど、結果的に、授業を進めるうえで現任校の生徒にとって何が難しくて何が簡単なのかを理解できたことは、とても役立ちました。単語ごとに区切ったり文節ごとに区切ったりできないまま高校に入学する生徒も意外と多く、この段階ですでに躓いているので古典文法が分からなくなっている生徒が多いわけです。また、活用の表を理解できても、本文で出てきたらお手上げ、という生徒もいました。また、文法はおおむね理解できている生徒についても、文中に出てくる形容動詞の「ナリ活用」の「に」や「タリ活 用」の「と」が意外と気づけなかったり、直接過去の「き」の活用「せ」「し」あたりに気づけなかったりするわけです。これを書いている12月現在は生徒の文法の不得意を一つずつつぶしていって、逐語訳ができるように授業をして、徐々に生徒の理解度も上がってきているように(リフレクションを見る限りでは)感じます。
ところで、高校では「わからないことが恥ずかしい」と思い、すでにその教科を「棄てて」いるという状況が入学時から見受けられるということがあります。生徒の仲がとてもいいと感じる現任校でも、勉強となると、「わからないことを誰にも聞けないまま放置している」生徒が多数見受けられるわけです。そのため、高校でゼロからスタートできるはずの「古典」で圧倒的な学力の差がすぐに生まれるわけです。それは絶対阻止したい!
そのため、私は授業開きで「互いに援助要請がしやすくなる仕掛け」を行いました。それは「ベストフレンドS」というドイツゲームをグループワークで行いました。コミュニケーションを円滑にしておくことで、「聞きやすい雰囲気」ができる。これはとても大事なことです。さらに、グループワークで古文の読解を行う際に、コミュニケーションが成立しにくいグループがあった場合は、「わからないことを聞くことは恥ずかしくない。わからないことを放置して試験で自分の望む点数が取れないほうが恥ずかしい。また、そのせいで結果的に卒業時に希望の進路に進めないと恥ずかしいどころか悲劇である。」ということを説明したうえで「今あなた方のチームがすべきことは何か?」と問うことにしています。
このような繰り返しがあってか、グループワークが成立しづらい場合、生徒の方から「困っています」という申し出を受けるようになり、そこの部分について指導をすることもあります。
自分たちの学習活動や学習の過程で起きたこと、学習定着の阻害要因をメタ認知することは、高校生が家庭学習を進めるうえでも、社会に出ていくうえでも大事なスキルになることは間違いありません。(長澤元子)
 

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